入居にかかる費用はどのくらい?
介護施設の選択肢は、格安さを売りにした入居一時金0円のところから、豪華さを売りにした億単位のところまで多岐にわたります。
まずは資金計画作りから!
どのタイプの施設を選ぶにせよ、まずは以下の3点について考え、無理のない計画を立てることがポイントとなるでしょう。
- 「当面のお金」(入居一時金など)がどの程度用意できるか
- 入居後の生活費にどのくらいかかるか
- その他の費用(趣味、病気やけが、お葬式のための費用など)
その人を取り巻く環境は、以下に挙げるように様々だと思います。色々な条件を考慮しつつ入居前に何度も試算を繰り返し、方向性をじっくり定めることこそが、入居の成功に繋がると考えられます。
- 独居か、一緒に暮らしているご家族がいるか
- 子どもの有無
- 決定権は自分にあるか(子どもに頼らなくてもよいか)
- 資金調達を目的に自宅を処分することを視野に入れるか(→ご自宅売却について)
料金の内訳は?(何にお金がかかるか)
ご自身の資産や毎月の年金額から試算して、無理のない支払いが可能な施設を選びましょう。一時的な費用と、入居している限り毎月払い続けなければならない費用があります。
1.入居一時金
最初の入居時に発生する費用です
お部屋や施設、各種サービスを終身利用する権利に対して支払う費用です。金額はまちまちで、一人当たり0円〜1億円と、大きく異なります。マンションとは異なり、「所有権」ではなく「終身利用権」となります。
2.介護費用
介護施設が終身利用型である場合には、「終身介護費用」の支払いが入居時に必要な場合もあります。(介護が必要になってから支払う施設もあります)
金額は300万円〜800万円と多様で、どのようなサービスが誰により(ヘルパーか医師か)行われるかによって変わってきます。
介護認定を受けていない自立の方ではこの料金が高くなる場合もあります。
3.管理費用[毎月]
施設のサービスや管理を目的に、毎月発生する費用です。月額料金は4〜20万と様々で、2人目には加算する施設もあります。
4.食費[毎月]
食事つきの施設の場合に必要です。3〜6万円。
5.水道光熱費[毎月]
管理費に含まれている施設もあります。5千円〜2万円。
6.個人的な生活費[毎月]
趣味や交際費、交通費や電話代に使う費用。
7.万一の費用
急な病気やけが、お葬式などの出費のために備えておく必要があります。
入居金について
入居時に必要なお金の呼び方は「入居金」「入居申し込み金」「保証金」「施設協力金」など様々で、統一はされていません。
「入居金」とは「入居している限り『施設が利用できる権利』」で、「終身利用権」の購入を意味します。このため在園日数により返還される場合もあります。
注意したいポイント
- 一般的に5年とされる償却期間ですが、施設や年齢によって異なってきます(2年〜8年)
- 償却期間経過後も入居を続けている場合は、追加料金等は通常必要ありません。(追加料金の支払いを求めるような施設は要注意!)
- 入居金0円をキャッチフレーズに、高額な入居金を必要としない施設も最近では増えてきていますが、その分月額費用に上乗せしている場合が多いです!
- 入居金に月額費用の一部を含めて前払いすることで、月額の負担を軽くする「料金スライドプラン」を導入している施設も増えています。
<料金スライドプランの例>
家賃月々15万円の一部5万円×60ヶ月分=300万円を前払いし、月々の費用を10万円に抑えることができます。60ヶ月後に再度前払いが必要な施設、必要としない施設があるため、確認が必要です。)
入居金の償却
償却期間の例
入居保証金50万円、入居一時金450万円、償却期間5年(60ヶ月)で均等償却する施設に入居し、3年で退去する場合に返還金がいくらになるか計算してみます。
- 【入居保証金50万円】は戻らないので、【入居一時金450万円】を【5年】で償却していきます。
- 【償却金450万円】÷【60ヶ月(5年)】=【7.5万円】が月々償却されます。
- 入居後3年で退去したため、これまでに【月々の償却7.5万円】×【36ヶ月】=【270万円】が償却されました。
- よって【償却金450万円】-【既に償却された270万円】=【180万円】が返金されます。
料金スライドアップ
月々の支払いを安く抑えるため、月額利用料の一部を入居時に前金で支払う仕組みです。施設が定める償却期間内の退去であれば返還金として戻ってきます。
月額利用料について
一般的な施設の月額費用には以下のものが含まれています。
月額利用料の内訳
- 食費…3万〜6万円程度
- 管理費…2万円程度
- 人件費、レクリエーション費などが含まれます。
- 家賃…10万円程度
- 介護保険の負担金1割
- 医療費…10,000円程度
- オムツ代(必要な方のみ)…10,000円程度
- おこづかいや雑費…5,000円程度
- 光熱費(施設による)…5,000円程度
胃ろうの方など不要な場合がございます。
施設によっては光熱費が含まれます。
※金額は一例であり、施設によって異なります。
※月額利用料は返還されません。
※金額は変動する場合がございます。
月々に必要な経費で、上記に含まれないもの、3万円〜5万円程度余分にみることをお勧めします。通常、以下の費用がほとんどの介護施設で必要となります。
要支援1 | 要支援2 | 経過的 要介護 | 介護度1 | 介護度2 | 介護度3 | 介護度4 | 介護度5 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
¥4,970 | ¥10,400 | ¥6,150 | ¥16,500 | ¥19,480 | ¥26,750 | ¥30,600 | ¥35,830 |
医療保険の支払い(お体の状態によって様々)
遠足や買い物、ティッシュや歯ブラシなどで必要
ほとんどの介護施設の利用料は、安くても11万円〜になりますので、3〜5万円程度余分にみても、最低16万円程度はかかる計算となります。
入居金0円からの低額介護施設をご紹介します